アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは?

強いかゆみのある湿疹ができ、悪くなったり、よくなったりを繰り返す疾患です。 遺伝的要因や、環境要因としてダニ、花粉、食物などのアレルゲン、ストレス、生活習慣なども アトピー性皮膚炎の発症や悪化に関与していると考えられています。

メカニズム

発症メカニズムは十分には解明されていませんが、アトピー性皮膚炎の原因として、 バリア機能異常、免疫機能異常の 2 つの側面があり、「肌のバリア機能の低下」と 「免疫機能の過剰反応」が組み合わさって発症します。

健康な肌とアトピー性皮膚炎の違い

肌のバリア機能の低下がもたらす悪循環…

肌のバリア機能とは、外部からの異物の侵入や体内の水分が過剰に蒸発するのを防ぐ、皮膚の 保護機能のことです。 アトピー性皮膚炎の方はこの機能が低下して少しの刺激でもかゆみが強くなって掻いてしまい、 さらに湿疹を悪化させるという悪循環をたどることが多いです。

さらに、皮膚のバリア機能の低下によって、皮膚表面からの種々の感染症にかかりやすいという 問題点もあります。

バリア機能の悪循環図

肌の対策だけでは不十分…鍵を握るのは免疫!

私たちの体には、異物(細菌、ウイルス、花粉など)が侵入してくるとこれらを異物として 認識して攻撃して排除する働きがあり、この働きが「免疫」です。

「異物に対する過剰な免疫反応」をアレルギーと言います。 アレルギー疾患には、花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、食物アレルギーなどが含まれ、 ほとんどが IgE が関与するタイプです。

「免疫細胞」は 2種類あり、細菌やウイルスに働く「Th1 細胞」と花粉やホコリなどに働く 「Th2 細胞」と、それぞれ異なった役割があります。

正常な状態では「Th1 細胞」と「Th2 細胞」のバランスが保たれ、アトピーやアレルギー反応は起き ませんが、バランスが偏り、「Th2 細胞」だけが過剰に働くようになると「IgE 抗体」が多く作られます。

Th1とTh2のバランス

結果

肌のバリア機能の対策に加えて、免疫細胞の「Th1細胞」と「Th2細胞」のバランスを整えることが大切!

肌のバリア機能の対策に加えて、
免疫細胞の「Th1細胞」と「Th2細胞」
のバランスを整えることが大切!

治療法

アトピー性皮膚炎のメイン治療である薬物療法では、この「IgE 抗体」や「ヒスタミン」を抑制する 「抗 IgE 抗体薬」や「抗ヒスタミン薬」などが対症療法目的で処方されることがあります。

また、症状が重い方へ処方される Th1 細胞と Th2 細胞の働きを抑える免疫抑制薬や、皮下注射薬などもありますが、 費用面の負担や、使用できる年齢に制限があるなどの課題もあります。

ステロイド外用薬:アトピー性皮膚炎治療の基本となる薬剤であり、重症度に応じて適切な強さの薬を選択し、 また部位などによっても使い分け、十分に炎症を抑制するように使用します。

タクロリムス軟膏:成分であるタクロリムスは、アレルギーの免疫反応を抑える抗炎症作用があります。 ステロイドホルモンではないため、ホルモン作用による副作用はみられず、ステロイド外用薬による副作用が出やすい 皮膚の薄い顔や首などにも使用しやすい薬とされています。

清潔:入浴により、清潔な肌を保ち、肌についた細菌や原因物質を洗い流すことが大切です。

保湿外用薬:保湿は、皮膚の水分が逃げないように “ふた” をしたり、皮膚に水分を与えたりする役割を持っています。 アトピー性皮膚炎では皮膚バリア機能の異常があり、乾燥肌になってしまいますので、日常的に入浴後などに保湿剤を使用しましょう。

アトピー性皮膚炎の治療では、悪化の原因除去とその対策が重要です。適切な検査を行い、原因物質への対策を行いましょう。

  • 薬や化粧品などの化学物質
  • 卵や乳製品などの食物アレルゲン
  • ダニやほこりなどの吸入アレルゲン

検査データ

  • 血清総 IgE 抗体値:アレルギー体質の指標。アトピー性皮膚炎患者では 500IU/ml 以上となることが多い。正常値:250IU/ml 以下
  • 末梢血好酸球数:アレルギー体質の指標。正常値:4%以下
  • 血清 TARC 値:アトピー性皮膚炎の重症度を反映。重症の人は 3,000pg/ml を超える場合もあり、500 ~ 700pg/ml 以下まで下がると、軽症になったと判断される。
  • 血清 LDH値:重症の場合上昇し、病勢のマーカーと 1つの指標。

SCORAD重症度評価 ▼

SCORAD(Severity Scoring of Atopic Dermatitis)とは、アトピー性皮膚炎の重症度を評価するための指標です。 皮疹の範囲(%)、皮疹の強さ(なし、軽症、中等症、重症)、患者の自覚症状(瘙痒、睡眠不足それぞれ 0~10 の 11 段階)を評価します。

SCORADは 103 点満点で、重症度が高いほど点数が高くなります。

SCORAD重症度評価図
薬物療法やスキンケアだけじゃない
免疫細胞「Th1細胞」と「Th2細胞」の関係性に着目した新しいアプローチ!


今までの基本的な治療とは視点を変えて、痒みのもとであるヒスタミンを放出する原因をつくる 免疫細胞のバランスの崩れを整え、身体の中から改善をはかる方法があります。

その鍵が、「Th1細胞」と「Th2細胞」の関係性に注目した両者の「バランスを保つ作用」です。

「Th1細胞」と「Th2細胞」はお互いの働きを抑制し合うように動くため、アトピー性皮膚炎で 過剰に働く「Th2細胞」を抑制するためには、「Th1細胞」を活性化させることが重要なのです。

免疫反応には、自然免疫と獲得免疫がありますが、アレルギーと深く関わっているのが獲得免疫です。 体内のマクロファージ細胞が体の外から抗原(異物)が侵入した情報をリンパ球のB細胞・T細胞に知らせます。 その際にサイトカインなどの物質を放出して獲得する免疫の事です。

抗原の種類によってT細胞が、Th1 細胞かTh2 細胞に変わり、互いに影響し合いながら免疫応答を調節しています。 Th1 細胞は、Th2 細胞とは異なるタイプの免疫細胞で、主に細菌やウイルスなどの病原体に対する免疫応答に関与します。

アトピー性皮膚炎では、Th1 細胞の活性化が低下している場合や、Th1 細胞とTh2 細胞のバランスが崩れている場合に発症することが多く、 Th2 細胞が優位になることで、さらにTh2 細胞が過剰に活性化され、炎症性物質や「IgE 抗体」が多く作られます。 これにより、皮膚の炎症、かゆみ、赤みなどの症状が悪化します。

バランスを整える食品成分
それがK-2乳酸菌です!

Th1細胞を活性化させる!
「K-2乳酸菌」が免疫システムのバランスを整える救世主


K-2乳酸菌(正式名称:「ラクトバチルス・パラカゼイ」)は、柿の種やハッピーターンで有名な「亀田製菓」がお菓子の原料であるお米を乳酸菌で発酵させて、 研究開発を行う中で発見した植物性乳酸菌です。

300株の中から厳選された優良株

亀田製菓では、「Th2細胞」を抑え、「Th1細胞」を活性化する乳酸菌を求めて研究が行われていました。 保存する乳酸菌300株の中から3株を選抜し、それらを動物に60日間与え、血中のIgE抗体の量を計測したところ、 最も改善がみられたのが、K-2乳酸菌だったのです。

K-2乳酸菌の効果実験結果

出典:亀田製菓株式会社


ヒト試験での症状改善!


軽症から中等症のアトピー性皮膚炎患者を対象とした試験では、 K-2乳酸菌を摂取したグループで「皮膚のかゆみや赤み」といった症状の改善がみられました。

ヒト臨床試験結果

K-2乳酸菌を用いた研究の結果、皮膚症状の緩和、血中のIgE抗体量・ヒスタミンを放出するマスト細胞の数にも大きな差が見られた。
さらにK-2乳酸菌を毎日摂取することでアトピー性皮膚炎の症状が軽減されていることも確認された。


K-2乳酸菌は長年日本で食べられ来た「酒粕」由来の
植物性乳酸菌であることが魅力です。


乳酸菌には、植物性と動物性があります。 乳由来(ヨーグルトなど)で乳の発酵が得意なものを動物性乳酸菌といい、 植物質の発酵が得意なものが植物性乳酸菌と呼ばれています。
植物性乳酸菌は、生育環境が厳しかったり、栄養が乏しくても生きられる、 非常にたくましい乳酸菌であると考えられています。
K-2乳酸菌は、「酒粕」由来の植物性乳酸菌です。
日本人の食経験が長く、なじみが深い食べ物であるため、安心して摂れることが大きなメリットです。

まとめ

アトピー性皮膚炎の治療は長い時間をかけて繰り返し行われるため、
不安も負担も大きい疾患であると思います。
安心して摂ることができる食品由来の成分である「K-2乳酸菌」で、
免疫細胞のバランスを整えアトピー性皮膚炎の辛い悩みを改善していきましょう。

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